インプラントとは
インプラントは、何らかの理由によって、歯を失った場所に入れ歯やブリッジ(両隣の歯を削ってかぶせる)でなく、単独で歯を作る事が出来ます。
骨の中に金属などを埋め込むことを総称してインプラントと呼びます。歯科では人工歯根のことを指します。以前は材料として金、サファイア、鉄、ステンレス、アルミニウムなど多様な素材が使われてきましたが、どれも良好な結果が得られませんでした。しかし、1965年にスウェーデンの学者のブローネマルク教授が開発したチタン製のインプラントが使用され、現在も安定して使用されています。
これはチタンが骨と結合するという特質をもっていたからです。その代表的なものが「ブローネマルクインプラントシステム」です。
- フィクスチャー
- 人工歯根と呼ばれる歯の根(歯根)に相当する部分
- 上部構造
- 歯の上方(歯冠)に相当する部分
- アバット
- フィクスチャーと上部構造を連結している部分
インプラントの歴史
インプラントが最初に用いられたのは、紀元前と言われています。
今使われているシステムが確立したのは1960年以降です。
このインプラントシステムは、1952年にスウェーデンのブローネマルク教授によって開発されました。
ウサギの骨にチタン製の生体顕微鏡の器具を埋め込み骨の観察を行っていました。観察を終えて器具を取り外そうとしたところ、骨から外れなくなってしまいました。この時教授は『骨とチタンが結合する』事を発見しました(オステオインテグレーション)。
そして1960年になるとチタンは骨だけでなく軟組織(歯ぐきなど)にも親和性がある事を発見しました。
様々な研究の後、1965年に初めてインプラント治療が行われ、そのインプラントは約40年経った今も何の問題もなく機能しています。
現在、インプラントは世界中にたくさんの種類があります。つい最近発表されたインプラントもあります。ただ、自分の体の一部に用いるものであれば、やはり予知性の確認されたものが好ましいと思います。その中でも最も歴史が長いものがブローネマルクインプラントです。