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インプラント治療の流れ

1.カウンセリングと検査

インプラントに関する知識がたくさんある方、またそうでない方と様々だと思います。患者さんが困っている、または希望していることが何かを詳しく知りたいのです。

  • 検査
    レントゲンを撮影し、インプラントを行おうとしている場所の骨の状態を検査します。上下の歯型を採り、咬み合わせの状態を確認します。
  • 健康状態
    インプラント処置を行える健康状態かどうかを確認します
    適応症(適している方・適さない方)

2.治療計画の説明

ひとりひとりがオリジナルの治療計画になります。一人の患者さんにおいても治療計画はいくつかある事が多いです。
例えば、1〜2年後に抜歯になりそうな歯も残して治療をしていくか、寿命があまりないと思われる歯(予後不良の歯)は抜いて10年以上安定した状態目指して治療をしていくかなどです。

3.前処置

インプラント治療を、歯がない所にすぐに行いたいと考える方もいらっしゃると思います。しかし、歯周病になっている方はまずその治療が必要になります。
歯周病の方は、口の中の細菌数が増加しているので、感染のリスクが高くなってしまいます。また、インプラントを行おうとしている場所の隣の歯根が感染している時は手術前にその根の治療を行う必要があります。

4.インプラント手術 - 1次手術 -

手術は滅菌した清潔な専用の手術室で行います。使用する器具や手術に関わるスタッフも十分に消毒をし、滅菌されたオペ専用着を着用して感染源を絶ちます。患者さんは来院後、当日の健康状態をチェックし、お口の中のクリーニングを約30分程度行います。

その後、オペ室への移動となります。オペ室ではまず専門の歯科麻酔医により、笑気吸入鎮静法併用静脈内鎮静法を行います。この際、心電図・血圧計・動脈血酸素飽和度のモニターを装着していただき、全身状態の管理をオペ室入室から退室まで行います。この方法は全身麻酔とは違い診療中の意識は有りますが、通常よりリラックスした状態で治療を受けることができます。「気がついたときには治療が終わっていた。」と言われる方も少なくありません。

麻酔が効きましたら、インプラント手術のスタートです。歯ぐきの中の骨にディスポーザブル(使い捨て)のドリルを使って直径3〜4mmの形を整えます。そこに一番適した長さのインプラント(フィクスチャー)を埋め込みます。その時には、冷却した生理食塩水を用い、発熱を防ぎます。(骨移植などを行わない通常のインプラント手術ならば、30分〜1時間程度です。)

手術後は、骨の状況に応じて治癒期間は異なりますが、基本的には下顎で4ヶ月・上顎で6ヶ月となります。骨移植を行ったような場合にはこの期間が延長します。

現在では手術時にインプラント安定指数(osstell)を測定し、治癒期間を決定できます。結果次第では、その日のうちに歯を装着できることもあります。

5.インプラント手術 - 2次手術 -

インプラント治癒期間経過後(上顎6ヶ月・下顎4ヶ月)、インプラントの頭出し処置を行います(2次外科手術またはアバットメントオペ)。
少しだけ局所麻酔を行い、歯の根に相当するフィクスチャーにヒーリングアバットと呼ばれるネジを装着します(通常約10〜30分程度で行えます)。 抜歯より簡単で、処置後の腫れ痛みはありません。

6.歯型を採り、歯を装着 - 上部構造 -
  1. インプラントの三次元的位置関係を正確に知るために、インプラントに棒を立てます。
  2. トレーを使って、精密な歯型を採ります。
  3. その後1〜2週間で歯が出来上がってきます。
    歯がネジ止めするタイプの物と、セメントで止めるタイプの物があります。
  4. 歯が入ってから、1週間後にかみ合わせの確認をします。
    歯を装着後1年間は1〜3ヶ月おきに定期検診に来院して下さい。その後も、3〜6ヶ月おきの定期検診は必要となります。

術前
術前
上部構造
上部構造
術後
術後 (上部構造装着)